The Story Behind Dallas Small Batch

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SMALL BATCH DALLAS

約1年前、私たち家族はゴルフ界の伝説的な一家
トレビノ家と出会いました。彼らも私たちと同じく、家族経営でゴルフビジネス
を展開しています。すぐに、エネルギッシュで存在感あふれるリー・トレビノの息子であるダニエルと親しくなりました。彼は現在、父の偉大なレガシーにインスパイアされたアパレルブランド「Super Mex Golf」の立ち上げに取り組んでいます。
両家の間に共通点があることは明らかでした。どちらも家族経営であり、一方は史上最高のプレーヤーのひとりと称される父にインスパイアされ、もう一方は史上最高のクラブデザイナーのひとりと称される父の影響を受けています。
一緒に何かをすることは自然の流れであり、ある意味運命 だったのかもしれません。

LEE TREVINO

伝説のPGAツアープロ

In 1984...

伝説のゴルファー、リー・トレビノは驚異的なショットとアプローチを見せながらも、グリーン上でなかなかボールを沈めることができませんでした。
1984年の全英オープンではパッティングが冴えず、その翌週のダッチ・オープンでは18ホールすべてでグリーンオンしながらも、初日に36パットを記録したという逸話があります。
そのとき、妻のクラウディアが動きました。彼女は、84年の全英オープンで優勝者と準優勝者が同じモデルのパターを使っていたことに気づき、リーにも試してみたらどうかと勧めたのです。
クラウディアは実際にダッチ・オープンのプロショップでそのパターを購入。
しかし、そのパターはスペックがひどく、リーは駐車場でそのパターを踏んでロフト角とライ角を自分仕様に調整しました。
そして翌日、そのパターを実戦投入。リーは64の好スコアを叩き出しました。
そのパターはそのまま1984年の全米プロ選手権(ショール・クリーク)でも使われ、最終18番ホールでは15フィートのパットを沈めて勝利。リーは、クラウディアがプロショップで買ってきたそのパターにキスを送ったのでした。

THE HEAD

私たちは、リー・トレビノが1984年の全米プロゴルフ選手権で勝利した際に使用した、過小評価されがちな名パター「A-Blade」へのオマージュとして、特別なモデルを作り上げました。ただし、私たちの目指すところは単なるノスタルジーではありません。ヴィンテージの美しさを大切にしながらも、現代の最高レベルのプレーにも十分に対応できるよう、仕上がりをモダナイズすることを常に意識しています。パター設計は1980年代半ば以降、大きく進化を遂げてきました。今回の「ダラス」モデルでは、小ぶりでタッチにシビアなオリジナルの形状を現代仕様にアップデートするため、改良されたH1ホーゼルを採用し、ブレードの長さを現代的な4.5インチに延長。ショルダー部分には、バックフランジへと流れるようにつながる「ウォーターフォール」デザインを取り入れ、優美なシルエットを実現しました。また、深めのバックキャビティ設計により、不要な重量を削減。この浮いた数グラムを活かし、ブレードの長さを延長しつつ、幅にもほんのわずかな厚みを加えることで、全体のバランスと慣性モーメント(MOI)を大幅に向上。最終的にMOIは約5,000に達し、寛容性に優れたパターへと進化を遂げました。美しさと実用性を両立したこのモデルは、象徴的なクラシックパターを、現代のゴルファーがプレーに取り入れられる形で見事に再構築した一本です。

THE FACE

フェースミルパターンには、細やかな「ダブルフライカット」に加え、「スモールツナ・オーバーミル」を施しています。この意匠は、本プロジェクト全体の目的 すなわち、伝説的で美しいアイコニックな形状への敬意を表しつつ──、パフォーマンスを犠牲にしないという思想を体現しています。──フェースミルによって、打感はソフトで心地よく、打音も耳に優しい仕上がりに。また、私たちが最も愛するステンレス素材である「904L」との組み合わせにより、芸術性と機能性が完璧に融合したパターが完成しました。

THe sole

ソールに施されたアートワークは、あえてミニマルでクリーンなデザインに仕上げられています。謙虚で気品があり、どこか温かみを感じさせる佇まいは、リー・トレビノ本人のスピリットを讃えるものです。彼のトレードマークである「Super Mex」のソンブレロアイコンと、故郷ダラスを象徴する「D」のロゴが印象的に配置され、背景には繊細なマイクロミーリングが静かに施されています。それらすべてが、伝説のプレーヤー、リー・トレビノへのオマージュとして静かに舞台を整えています。

細部に宿るこだわり

トレビノファミリーと共にこのパターを形にする過程で、完成品には旧友の“”ような温もりと信頼感が求められていると感じました。それは、かつてリー・トレビノが手にした名器 A-Blade への敬意であり、そこに込められたストーリーの継承でもあります。ヘッド仕上げには、ヴィンテージの空気を纏わせるミルクチョコレートPVDを採用。あえて塗装は必要最小限に留め、丁寧に施されたミーリング痕がそのまま美しさとして浮かび上がります。バックキャビティにはビンテージクリームのアクセントが映え、リー・トレビノのシグネチャー、Toulonのロゴ、サイトラインが静かに存在感を放ちます。フェースはあえて無垢のまま、ソー“”ルにはダラスを象徴するレッドとロイヤルブルーを差し色に用いました。グリップには特別仕様のToulon Deep Etched “Blackoutバージョンを採用”し、シャフトにはKBS Stepless CT Tour Chromeを組み合わせ。現代的な性能と美学を両立させたセッティングです。さらに、Seamus Golfとのコラボレーションにより製作された特別なヘッドカバーが付属。その名も「Whiskey Outlaw」。このモデルのために選ばれた、しなやかで重厚感のあるレザーがダラスのスピリットを物語ります。そして最後の仕上げとして、トレビノのレガシーを象徴する2種類のボールマーカーを同梱。ひとつはおなじみの「Super Mex」ソンブレロロゴ、もうひとつは少年時代の彼がDr. Pepperの空き瓶でチッピングを練習していた逸話を再現した、遊び心あるソーダボトル型デザイン。Small Batch Dallas──ノスタルジーと革新が融合した、真にプレイアブルなアイコンの再構築です。

SPECIFICATIONS: 

  • 素材 - 904L ステンレス
  • フェースミル - ファインダブルフライカット(スモールツナオーバーミ–ル仕上げ)
  • 仕上げ - ミルクチョコレートPVD
  • グリップ - カスタムトゥロン ディープエッチブラックアウト
  • シャフト - クローム ステップレス スチール
  • ヘッドカバー - カスタム トゥロンウィスキーアウトローレザー by シーマス
  • ヘッド重量 - 350g
  • トゥハング - 43°
  • ロフト - 3°
  • ライ角 - 70°