SMALL BATCH PITTSBURGH

1973年6月17日。1973年全米オープンの最終ラウンドが行われる日です。舞台はピッツバーグ郊外にある、美しくも恐ろしいオークモントカントリークラブ。

サンフランシスコ・ベイエリア出身の典型的カリフォルニア・ゴールデンボーイ、ジョニー・ミラーは、最終ラウンド開始時点でリーダーに6打差で遅れを取っていました。

そして、歴史が動き始めます。

ミラーはゴルフ界でも屈指の闘志を持つ選手として知られ、ほとんどのプレーヤーが想像もできないスコアを叩き出すことができました。オークモントの前半4ホールで連続バーディを決め、スタートダッシュを見せます。長いパー3の8番ホールでボギーを叩き、一時は勢いが止まったかに思われましたが、続くパー5の9番で再びバーディを奪います。前半9ホールを32で終えたことで、ミラーは優勝争いに浮上しました。

さらに13番ホールでその日の8つ目のバーディを決め、14番ホールを終えた時点で、驚くべきことに首位に立っていました。15番でもバーディを奪い、最後はタップインでパーを決め、62という記録的なスコアでラウンドを締めくくります。この日使用したパターは1952年に誕生したブルズアイデザインで、今回のスモールバッチ最新モデル「ピッツバーグ」のインスピレーションの源となりました。

THE HEAD

スモールバッチ ピッツバーグの開発はエンジニアリング的な挑戦でしたが、チームにとって非常に楽しいプロジェクトでもありました。私たちは、ピッツバーグをミラーのパターの忠実な再現としつつ、現代の高速グリーンに対応できるようモダナイズしたいと考えました。そのためには、1973年にミラーが使用したパターよりも、ヘッド重量を大幅に重くする必要がありました。

この設計方針をもとに、私たちはマルチマテリアル設計に挑みました。904Lステンレススチールとタングステンという、私たちが最も愛用する2つの素材を組み合わせ、ミラーのパターのオリジナル寸法を尊重しながら、ピッツバーグの設計を進めていきました。

"The putter he used was a 1952 Bullseye, a true classic"

性能と美しさの両立を目指し、ブレードの中央部分をほぼくり抜く設計を採用しました。パター底部のキャビティを精密にミル加工した後、60グラムのタングステンを挿入。可能な限りヘッドのヒールとトゥに重量を配分しています。

その結果、見た目にも美しく、かつ現代のゴルフゲームに対応したパターが完成しました。ピッツバーグのヘッド重量は扱いやすい340グラムで、1973年にミラーが優勝に使用したパターよりも約40〜50グラム重く、オークモントの厳しいグリーンでも頼れる一本です。

The Rest of the Package

スモールバッチ ピッツバーグは、ウルトラファイン ダブルフライカットのフェイスパターンで精密にミル加工されています。904Lステンレススチールとタングステンの素材と組み合わせることで、インパクト時には心地よいミルドクリックを実現しています。

「ピッツバーグ」の名にふさわしく、ヘッド本体はブリリアント ミッドナイトブラック仕上げとし、タングステンソールはブラッシュドイエローゴールドの上にマイクロミル加工を施してアクセントをつけています。

このパターを形にするにあたり、ジョニーとそのチームと共に仕事ができたこと、そしてゴルフ史に残る名ラウンドのひとつを祝えることは私たちにとって大きな喜びでした。

スモールバッチ ピッツバーグのヘッドを保護するため、ヘッドカバーにはジョニーの伝説的なスコアカードと、その歴史的な達成の日付、サインを誇らしげにあしらっています。

ピッツバーグ スモールバッチ:現代的な遊び心と懐かしさが融合した、至高の一本です。

SPECIFICATIONS: 

  • ヘッド素材:904L ステンレススチール+タングステン
  • フェイスミル:ウルトラファイン ダブルフライカット
  • 仕上げ:ブリリアント ミッドナイトブラック PVD
  • グリップ:トゥーロン ピストル ミッドサイズ(ピッツバーグイエロー)
  • シャフト:クローム ステップレススチール
    ヘッドカバー:スモールバッチ ジョニー・ミラー スコアカードカスタム
  • ヘッド重量:340g