アメリカでも有数のゴルフ都市であるスコッツデールとその周辺には、200以上のゴルフコースが点在しています。多くの現役ツアープロがスコッツデールを拠点としているのも偶然ではありません。スコッツデールと隣接するフェニックスは、ゴルフ界で最も革新的なクラブデザインが生まれた地でもあり、特にカーステン・ソルハイムやその他の才能あるクラブデザイナーによる作品が知られています。
このスモールバッチ・リリースは、スコッツデールのすべてを祝福するもので、街自体からインスピレーションを得た非常にユニークなデザインが特徴です。西部の最もワイルドな街、ガンスリンガーやアメリカのアウトローたちの故郷としてのスコッツデールを感じさせる一本です。
このイヤー型ミッドマレットは、1960年代のオリジナルブレードモデルから着想を得ています。特に、スコッツデール・スモールバッチのような形状では珍しいH1ホーゼルのデザインにその影響が見られます。この改良されたH1ホーゼルは、60年代のブレードモデルのようなスムーズな流れを生み出すために設計されました。
同様のデザインの多くはヒールシャフトが一般的で、トゥハングが大きくなり、アークの大きなストロークを好むプレーヤー向きです。一方、スコッツデールは幅広いプレーヤーにフィットし、非常にしっかりとした打感と打音を提供します。その結果、ストローク中に美しく流れるような、精巧に造形されたデザインとなりました。このパターを作る際に私たちが最も意識したのは、まさに“フロー（流れ）”というコンセプトです。
ホーゼルがこのデザインの性能を支えていることは間違いありませんが、スコッツデールの主役はフランジのデザインです。フランジはトップラインの後方から滑らかに流れ、後方の曲面へ優雅に落ちていきます。同時に、ヒール側からトゥに向かって美しい半径で立ち上がる造形も施されています。
この機能的なデザインにより、ホーゼルの重量をヒール側に配置した分を補正しつつ、パターの重心を中央に配置することが可能になっています。形と機能の絶妙な融合は、スコッツデールの多くの建築物、特にソノラ砂漠の谷間に広がるフランク・ロイド・ライト風の建築にも見られる概念であり、スコッツデール・スモールバッチのデザインにも大きなインスピレーションを与えています。
スコッツデールのフランジを飾るパターンには、光をさまざまな方向に反射する何百もの小さなダイヤモンドが施されています。これにより、プレーヤーの視線を妨げるグレアを効果的に抑えると同時に、904Lステンレススチールの美しい表面を生み出しています。
このパターンは、ヘッドごとに何時間もかけて精密にミル加工され、完成品はひとつとして同じもののない、唯一無二の仕上がりとなっています。
ソールデザインには、ワイルド・ワイルド・ウェストからのインスピレーションを取り入れました。ここでも重要なのは、まず機能性です。スコッツデールは「バレットソール」を採用しており、ヘッド中央の重量を減らすことで扱いやすさを向上させ、同時に目標重量である355グラムを実現しています。アウトローに着想を得たパターのソールにバレットソールを用いるのは、非常にふさわしいと感じました。
スコッツデール、そして広くアリゾナは、まさにワイルド・ワイルド・ウェストの一部でした。そこで私たちは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて砂漠を駆け回ったカウボーイや自警団の持っていたヴィンテージのピストルやナイフの精巧な彫刻を研究しました。これらのパターンは非常に美しく、スコッツデールのソールデザインの大きなインスピレーションとなっています。
また、グラフィックデザインにも同じ時代から着想を得ており、ヴィンテージ映画のポスターやモストウォンテッド掲示板を参考にしています。グラフィックの下には、スモールバッチシリーズを特別なものにしている、さりげないスローミル加工のパターンも施されています。
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